つきまとい、待ち伏せ、無言電話、SNSでの監視や執拗な連絡などが続くと、「この程度で警察へ相談してよいのか」「誰が行っているのか分からない」「探偵には何を依頼できるのか」と迷うことがあります。
結論からいえば、身の危険を感じる場合は調査より先に警察へ相談してください。緊急時は110番、緊急ではない相談は警察相談専用電話#9110が利用できます。
そのうえで、警察や弁護士へ状況を説明するための記録が不足している場合や、安全を確保しながら行為者・行動・車両などを確認する必要がある場合は、探偵による調査を検討できることがあります。
この記事では、ストーカー・嫌がらせ被害で保存しておきたい証拠、探偵に依頼できる調査、依頼できないこと、相談時の注意点を解説します。
身の危険がある場合は調査より警察への相談を優先する
次のような状況では、証拠を自分で集めようとして相手へ近づいたり、様子を見続けたりしないでください。
- 相手から危害を加える内容の連絡がある
- 自宅や勤務先付近で待ち伏せされている
- 相手が凶器を所持している可能性がある
- 住居へ侵入された形跡がある
- 車両や自宅の設備を壊された
- 家族や子どもにも接触している
- 行為が急激にエスカレートしている
- 現在も追跡されている
危険が差し迫っている場合は110番してください。すぐに事件・事故が発生している状況ではないものの、不安や被害について相談したい場合は#9110または最寄りの警察署へ相談します。
警察庁も、ストーカー被害について「まずは警察に相談を」と案内し、相談時に証拠や記録があれば持参するよう呼び掛けています。
探偵は逮捕、警告、禁止命令、身辺保護などを行う機関ではありません。安全確保や犯罪への対応を探偵だけで完結させるべきではありません。
ストーカー・嫌がらせに該当する可能性がある行為
ストーカー規制法では、つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、うろつき、監視していると告げる行為、面会や交際の要求、著しく粗野または乱暴な言動、連続した電話・文書・メール・SNSメッセージなどが規制対象となる場合があります。
また、承諾なくGPS機器等で位置情報を取得する行為や、位置情報を取得できる機器を取り付ける行為も規制対象となり得ます。
ただし、個々の行為が法律上どのように扱われるかは、相手との関係、行為の目的、反復性、被害者が感じた不安、具体的な状況などによって異なります。
「ストーカーかどうか」を自分だけで判断して相談を遅らせる必要はありません。事実関係を時系列で整理し、警察や弁護士へ相談してください。
証拠を残す目的
証拠を残す目的は、相手へ反撃したり、SNSで告発したりすることではありません。
主な目的は次のとおりです。
- いつ、どこで、何が起きたかを説明する
- 同じ行為が繰り返されていることを示す
- 行為者、車両、移動経路などを確認する
- 警察や弁護士へ相談する際の資料にする
- 防犯方法や調査計画を検討する
- 民事・刑事上の対応を検討する
被害が続くと、出来事の順番や日時が曖昧になりやすくなります。そのため、記憶だけに頼らず、発生するたびに記録を残すことが重要です。
保存しておきたい証拠と記録
被害記録・時系列表
被害が発生したら、できるだけ早く次の項目を記録します。
- 発生した年月日と時刻
- 発生場所
- 具体的に何をされたか
- 相手の氏名または特徴
- 服装、所持品、車両情報
- 相手が話した言葉
- 目撃者の有無
- 写真・動画・録音の有無
- 警察や管理会社等へ相談した日時
- 相談先と対応内容
「怖かった」「不審だった」という感想だけでなく、確認できた事実を具体的に記載します。
例えば、「帰宅時に見られていた」ではなく、「9月5日20時15分、自宅から約30メートル離れた電柱付近に黒色の上着を着た人物が立っていた。自宅へ入るまでこちらへスマートフォンを向けていた」というように整理します。
相手が誰か分からない場合は、推測で氏名を決めず、「人物A」「白色車両」などの仮称を付けて記録します。
メール・SMS・SNS・通話履歴
執拗な連絡がある場合は、次の情報が分かる形で保存します。
- 送信元のアカウント名・電話番号・メールアドレス
- 送受信日時
- メッセージの全文
- アカウントのURL
- プロフィール画面
- 通話履歴
- 留守番電話や音声メッセージ
- 添付された画像・動画・ファイル
一部の文章だけを切り抜くのではなく、日時と前後の流れが分かる状態で保存してください。アカウント名や画像は変更されることがあるため、プロフィール画面とURLも残します。
ブロックや削除をする前に、必要な記録が保存できているか確認します。ただし、返信して相手を刺激することは避け、警察等の助言に従ってください。
写真・動画
自宅や勤務先付近に同じ人物・車両が繰り返し現れる場合、写真や動画が状況の確認に役立つことがあります。
撮影時は安全を優先し、相手へ近づいたり、撮影していることを示したりしないでください。撮影が危険な場合は行わず、場所、時間、人物や車両の特徴を記録します。
画像を加工するときは、元データを別に保存してください。送信日時や撮影日時などの情報が確認に役立つ場合があります。
防犯カメラ・インターホンの記録
自宅の防犯カメラ、ドアホン、マンション共用部、店舗、駐車場などの映像に行為者が写っていることがあります。
録画データは一定期間で上書きされる場合があります。自分が管理する機器であれば、必要な部分を早めに保存してください。
共用部や他施設の映像は、本人が自由に受け取れるとは限りません。管理会社、施設管理者、警察、弁護士などへ相談し、適切な手続きを確認します。
郵便物・置かれた物・破損物
手紙、荷物、汚損された物、破損物などは、すぐに捨てたり洗ったりせず、発見時の状態を撮影します。
危険物や不審物の可能性がある場合は触らず、警察へ連絡してください。
受け取った日時、場所、包装、消印、配送伝票なども記録します。保管方法については警察の指示を受けることが適切です。
車両情報
同じ車両が繰り返し現れる場合は、無理のない範囲で次の項目を記録します。
- 車種・色・形状
- ナンバープレート
- 特徴的な傷やステッカー
- 運転者・同乗者の特徴
- 現れた日時と場所
- 進行方向
ナンバーの一部しか分からなくても、そのまま記録します。相手車両を追いかけたり、進路を塞いだりしてはいけません。
記録するときの注意点
推測と事実を分ける
「元交際相手に違いない」という推測と、「元交際相手と似た体格の人物を見た」という事実は分けて記録します。
誤った人物を対象にすると、無関係な人のプライバシーを侵害するおそれがあります。探偵へ相談するときも、確認できている事実、本人から聞いた情報、自分の推測を区別してください。
元データを残す
写真を明るくしたり、動画を切り抜いたりする場合でも、編集前のデータを残してください。
スクリーンショットだけでなく、メール、メッセージ、画像、動画などの元データを可能な範囲で保存します。
公開・拡散しない
相手と思われる人物の氏名、顔写真、勤務先、住所などをSNSへ投稿することは避けてください。
対象者を取り違えていた場合、無関係な第三者へ被害を与える可能性があります。また、相手に証拠の保存や相談状況を知られ、行為が変化する場合もあります。
探偵に依頼できる可能性がある調査
探偵が対応できる範囲は、被害状況、依頼目的、対象者との関係、安全性、適法性によって異なります。
張り込みによる状況確認
被害が起きやすい時間帯や場所が分かっている場合、周辺で張り込みを行い、不審な人物・車両の出現状況を確認します。
「毎週金曜日の退勤時」「平日の午前7時台」「決まった曜日に自宅前へ物が置かれる」など、発生条件が絞れているほど計画を立てやすくなります。
行動・車両の確認
不審者や車両が確認できた場合、安全性と必要性を検討したうえで、行動や移動先を確認できることがあります。
ただし、危険性が高い人物への調査、犯罪行為の最中の追跡などは、安全確保を優先して中止する場合があります。
行為者の特定につながる情報収集
人物の外見、車両、出現場所、移動経路、公開情報などを組み合わせ、行為者につながる手掛かりを整理します。
一度の撮影だけで本人と断定するのではなく、複数の情報が一致するかを確認します。
被害状況の撮影と報告書作成
調査で確認した日時、場所、人物、車両、行動などを写真と文章で報告書にまとめます。
報告書を警察や弁護士へ提出できる場合はありますが、事件としての受理、警告・禁止命令、裁判上の証拠能力などを保証するものではありません。
報告書については「探偵の調査報告書には何が記載される?」もご覧ください。
盗聴器・不審な機器の発見調査
自宅や事務所に盗聴器等が設置されている不安がある場合は、発見調査を検討できます。
盗聴器の発見調査と、他人の住居や所有物へ機器を無断で設置する行為は全く異なります。調査場所に立ち入る権限や、所有者・管理者の承諾を確認したうえで実施します。
探偵に依頼できないこと
探偵であっても、次のような対応はできません。
- 相手を逮捕・拘束する
- 警告や禁止命令を出す
- 相手を脅して行為をやめさせる
- 他人の住居へ無断で侵入する
- アカウントへ不正にログインする
- 携帯電話やSNSの内部情報を取得する
- 無断でGPSや盗聴器を設置する
- 報復や嫌がらせを目的とした調査
- DV等から避難している人の所在を加害者側へ提供する
- 差別や犯罪につながる調査
依頼目的、対象者との関係、調査結果の利用目的を確認し、不適切な依頼はお受けできません。
詳しくは「探偵に依頼できること・できないこと」をご覧ください。
警察・弁護士・探偵の役割の違い
警察
身の安全の確保、犯罪への対応、警告・禁止命令、捜査などを担います。危険がある場合は、探偵より先に警察へ相談します。
弁護士
警告書の送付、損害賠償請求、保護命令や接近禁止に関する相談など、法的対応を検討します。
探偵
被害が起きる時間・場所がある程度分かる場合の張り込み、人物や車両の確認、行動の記録、調査報告書の作成などを検討します。
どれか一つだけを選ぶのではなく、危険度と目的に応じて役割を組み合わせます。
ストーカー・嫌がらせ調査の費用
張り込みや行動確認を行う場合、SD Research
調査事務所の行動調査は、調査員2名で1時間13,000円(税込)が基準です。
- 深夜22時から翌5時:実施時間のみ1時間2,000円加算
- 調査員の追加:1名につき1時間5,000円
- 車両費:1日10,000円
- 経費:実費
- 簡易報告:無料
- 通常の調査報告書:1案件30,000円
最低調査時間は設けていません。ただし、発生時間が絞れていない場合、長時間の張り込みや複数日の確認が必要になることがあります。
例えば、平日の18時から21時に被害が集中している場合と、曜日も時間も分からない場合では、必要な調査時間が異なります。相談時に被害記録を確認し、調査日と時間帯を絞って見積もります。
盗聴器発見調査は、1室50,000円(税込)が基準です。追加する部屋は1室につき10,000円です。建物の規模、調査場所、対象機器などにより個別に確認します。
詳しくは「調査料金」をご覧ください。
調査を依頼する前に伝えること
相談時には、次の情報を分かる範囲でお伝えください。
- 最初に被害が起きた時期
- 直近の被害日時
- 被害が起きやすい曜日・時間・場所
- 相手に心当たりがあるか
- 相手との関係
- 警察や弁護士への相談状況
- 保存している写真・動画・メッセージ
- 人物や車両の特徴
- 自宅・勤務先・家族への接触の有無
- 現在感じている危険
- 調査で確認したいこと
- 調査後に予定している対応
「犯人を捕まえてほしい」という依頼ではなく、「自宅付近に現れる人物と車両を記録したい」「警察へ相談するため、繰り返されている行為を確認したい」など、調査で確認する事実を具体的にします。
調査計画を立てやすくするポイント
ストーカー・嫌がらせ調査では、被害が発生しない時間に張り込みを続けても成果につながりません。
次の情報があると、調査日を絞りやすくなります。
- 被害が発生した曜日の共通点
- 発生時刻の範囲
- 通勤・帰宅時間との関係
- 相手が現れる場所
- 特定の予定や投稿後に起きているか
- 同じ車両が現れる時間
- 天候や休日との関係
過去の記録から一定の傾向を整理し、必要な時間帯へ調査を集中させることで、費用を抑えられる可能性があります。
まとめ
ストーカー・嫌がらせ被害では、証拠収集より身の安全が優先です。危険を感じる場合は110番、緊急ではない相談は#9110または最寄りの警察署へ相談してください。
記録を残すときは、日時、場所、具体的な行為、人物・車両の特徴、メッセージ、写真、動画などを整理し、推測と確認できた事実を分けます。
探偵は、被害が発生しやすい時間帯の張り込み、人物や車両の確認、行動の記録、報告書作成などを検討できます。一方、逮捕、警告、禁止命令、身辺保護、不正アクセス、無断GPSなどは行えません。
現在の状況で調査が必要か、警察への相談を先にすべきか分からない場合は「無料相談・お問い合わせ」からご相談ください。安全性と依頼目的を確認したうえで、対応可能な範囲をご案内します。
調査で終わらせない。その先の未来へ。
SD Research 調査事務所

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