「探偵なら個人情報を何でも調べられる」「相手のスマートフォンや部屋の中も確認できる」と思われることがありますが、探偵が行える調査には明確な限界があります。
探偵業務の基本は、依頼を受けて特定人の所在や行動に関する情報を、聞き込み、尾行、張り込みなどの方法で実地に収集し、その結果を依頼者へ報告することです。探偵だからといって、住居への侵入、不正アクセス、盗聴器の設置、無断でのGPS機器の取り付けなどが許されるわけではありません。
この記事では、探偵に依頼できる代表的な調査、依頼できない行為、相談時に確認されること、依頼者自身がしてはいけない行動を解説します。
探偵に依頼できる代表的な調査
浮気・不倫に関する行動確認
配偶者や交際相手の行動を、正当な依頼目的の範囲で尾行・張り込みし、接触人物や立ち寄り先を確認します。
調査では、対象者が誰と、いつ、どこで合流したか、どの施設へ出入りしたかなどを時系列で記録します。ただし、交際相手の氏名や住所まで必ず判明するとは限りません。
浮気調査の方法や費用は「浮気調査とは?探偵に依頼して分かること・料金・調査方法」をご覧ください。
素行・行動調査
対象者の勤務後や休日の行動、立ち寄り先、接触人物などを確認します。
例えば、家族の生活状況を確認したい場合や、企業が正当な目的に基づいて従業員の行動を確認する場合などがあります。調査の可否は、依頼者と対象者の関係、調査目的、調査結果の利用方法を確認して判断します。
詳しくは「素行調査とは?探偵に依頼すると分かること・調査方法・費用」で解説しています。
人探し・所在確認
家族、知人、債務者、相続関係者などについて、所在を確認する調査です。
氏名、過去の住所、勤務先、連絡先、写真、最後に確認された場所など、依頼者が保有する情報を整理し、公開情報の確認、聞き込み、現地確認などを組み合わせます。
ただし、DV、ストーカー、嫌がらせなどに利用されるおそれがある場合は調査できません。発見後に住所や連絡先をそのまま伝えず、本人の意思を確認する対応が適切なケースもあります。
人探しの準備については「家出・失踪した人を探す方法」も参考にしてください。
住所・勤務先の確認
依頼者が把握している候補住所に本人が居住しているか、申告された勤務先へ実際に出入りしているかなどを確認します。
表札がある、郵便受けに名前があるという情報だけで生活実態を断定することはできません。本人の出入り、使用車両、生活上の行動など、複数の情報を組み合わせて判断します。
「住所確認調査とは?」では、確認方法と依頼前に必要な情報を解説しています。
婚前・身元確認
結婚を考えている相手について、本人から聞いている勤務、居住、生活状況などに大きな相違がないかを確認します。
婚前調査であっても、出生、病歴、思想信条などを不当に調べたり、差別的な判断へ利用したりする依頼は受けられません。結婚相手への不安がある場合も、何を確認する必要があるのかを具体的に整理します。
企業・採用に関する調査
企業間取引の前に、会社の実在性、所在地、公開されている登記・行政処分・報道情報、事業実態などを確認する調査があります。
採用に関する確認では、業務上必要な経歴や申告内容を対象とし、本人の能力と関係のない差別的な身元調査は行えません。企業側にも、確認する目的と情報の利用範囲を明確にしていただきます。
詐欺・金銭トラブルの相手方確認
連絡が取れなくなった相手の所在、使用している連絡先や名義、勤務先として申告された場所の実態などを確認します。
探偵は、返金の強制、財産の差押え、逮捕、訴訟代理はできません。犯罪の可能性がある場合は警察、返金請求や法的手続を検討する場合は弁護士への相談が必要です。
探偵に依頼できないこと
住居や敷地への無断侵入
対象者の自宅、勤務先、ホテルの客室、立入禁止区域などへ無断で入ることはできません。撮影のためであっても、他人の管理する場所へ侵入してよい理由にはなりません。
調査は、公道など適法に立ち入れる場所から、周囲の安全とプライバシーに配慮して行います。
スマートフォンやアカウントへの不正アクセス
パスワードを推測してメール、SNS、クラウド、位置情報サービスへログインする行為は依頼できません。対象者のスマートフォンを無断で解除し、メッセージや写真を取得する行為も避けてください。
依頼者がすでに適法に保有している画面や資料がある場合は、相談時に経緯を説明してください。利用できるかどうかは弁護士などの専門家による確認が必要になる場合があります。
無断でGPS機器や紛失防止タグを取り付けること
相手の承諾なく車両や所持品へGPS機器・紛失防止タグなどを取り付け、位置情報を取得する行為は、状況によってストーカー規制法などに抵触する可能性があります。
「家族名義の車だから大丈夫」「費用を自分が払っているから使える」と自己判断せず、位置情報機器を使う前に専門家へ確認してください。
盗聴器・隠しカメラの無断設置
他人の住居や勤務先へ侵入して盗聴器・カメラを設置する依頼はできません。設置行為だけでなく、取得方法や利用方法によって複数の法的問題が生じる可能性があります。
自宅や事業所に盗聴器があるか不安な場合の「発見調査」と、相手方へ無断で機器を設置する行為は別です。
戸籍・住民票・金融情報などの不正取得
委任状の偽造、虚偽申請、他人になりすます行為などによって、公的書類や口座情報、通信記録を取得することはできません。
探偵が金融機関、携帯電話会社、行政機関の内部情報へ自由にアクセスできるわけではありません。「データベースですぐ分かる」と過度に説明する業者には注意が必要です。
別れた相手への復縁強要や嫌がらせを目的とする調査
相手が接触を拒否しているにもかかわらず、居場所を特定して待ち伏せする、繰り返し連絡する、勤務先へ押しかけるなどの目的には協力できません。
相談内容からDV、ストーカー、脅迫、報復のおそれがある場合、依頼をお断りしたり、調査結果の開示方法を制限したりすることがあります。
差別や不当な排除を目的とする調査
人種、民族、出生、思想信条、病歴などを理由とした差別や不当な排除につながる調査は行えません。
「身元調査」という名称であっても、依頼目的が適切か、確認項目が必要な範囲に限定されているかを確認します。
逮捕・交渉・法的手続の代理
探偵は警察官でも弁護士でもありません。
- 対象者を逮捕・拘束する
- 借金や慰謝料を強制的に回収する
- 依頼者の代理人として法的交渉を行う
- 裁判書類を作成して訴訟を代理する
このような対応はできません。調査で得た事実を整理し、必要に応じて警察や弁護士など次の相談先へつなぐことが探偵の役割です。
依頼時に確認されること
探偵事務所では、調査を受ける前に次の事項を確認します。
- 依頼者の本人確認
- 依頼者と対象者の関係
- 調査を必要とする理由
- 何を確認したいか
- 調査結果を何に利用するか
- DV・ストーカー・嫌がらせの可能性がないか
- 保有情報をどのように入手したか
探偵業法では、調査結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為に用いない旨を依頼者から書面で受け取ることが定められています。目的を詳しく聞く事務所は、依頼者を疑っているのではなく、適法な業務を行うために確認しています。
依頼者自身がしてはいけない行動
不安が強いと、相談前に自分で証拠を集めようとしてしまうことがあります。しかし、次の行動はトラブルや調査失敗につながるため避けてください。
- 対象者のスマートフォンを無断で確認する
- 相手のアカウントへログインする
- 車両や持ち物へ位置情報機器を付ける
- 自宅や勤務先で待ち伏せする
- 相手や接触人物を問い詰める
- SNSで氏名や写真を公開する
- 友人や勤務先へ一斉に連絡する
- 自分で長時間の尾行を行う
対象者が警戒すると、外出時間や移動手段を変えたり、証拠を削除したりする可能性があります。すでに行ったことがある場合も隠さず、相談時に経緯を伝えてください。
信頼できる探偵事務所を選ぶ確認項目
相談時には、次の点を確認してください。
- 公安委員会への届出情報が表示されているか
- 調査目的と利用方法を確認しているか
- できない調査を明確に説明するか
- 契約前に重要事項と料金の説明があるか
- 追加料金が発生する条件が明確か
- 調査方法に違法性がないか質問できるか
- 調査報告の形式と納期が明確か
- 個人情報と調査資料の保管・廃棄方法を説明するか
「必ず住所が判明する」「どんな情報でも取得できる」「内部データを使える」といった説明だけで契約を急がせる業者には注意してください。
調査報告の内容については「探偵の調査報告書には何が記載される?証拠として使う際の注意点」もご確認ください。
SD
Researchが依頼を受ける際の考え方
SD Research
調査事務所では、相談内容を伺い、依頼者と対象者の関係、調査目的、希望する確認事項、結果の利用方法を整理します。
ご希望の方法が適切でない場合は、そのまま実行するのではなく、確認したい目的に対して別の適法な方法がないかをご案内します。調査を行っても目的を達成しにくい場合や、警察・弁護士・行政機関への相談を優先すべき場合も、その理由をお伝えします。
行動調査の料金は、調査員2名で1時間13,000円が基準です。調査内容や地域、必要な調査員数によって費用が変わるため、契約前にお見積りします。詳しくは「調査料金」をご覧ください。
まとめ
探偵に依頼できるのは、正当な目的に基づき、聞き込み、尾行、張り込み、公開情報や現地の確認などによって、対象者の所在や行動に関する事実を収集・報告する調査です。
一方、住居への侵入、不正アクセス、無断での位置情報取得、書類の不正取得、ストーカーや報復への協力、差別的な調査は依頼できません。
「この内容は相談してよいのか」と迷う段階でも構いません。確認したいことと、その理由を整理したうえで「無料相談・お問い合わせ」からご相談ください。

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