自宅付近や通勤経路で同じ車を繰り返し見かけると、「監視されているのではないか」「ストーカーや嫌がらせではないか」と不安になることがあります。
ただし、同じ地域で同じ車を見かけたという事実だけでは、特定の人物による監視や追跡とは断定できません。近隣住民、送迎車、営業車、通勤車両など、別の理由で通行している可能性もあります。
この記事では、同様のご相談で確認する項目と調査の進め方を、調査モデルとして解説します。
ご相談内容
依頼者は、平日の帰宅時間帯に、自宅近くの道路で同じ色・形の車両を何度も見かけるようになりました。
車両は毎回同じ場所に駐車しているわけではありませんが、次のような状況が続いています。
- 自宅から見える場所に停車していることがある
- 帰宅途中の店舗付近でも似た車両を見た
- 車内に人がいることは分かるが、顔は確認できない
- ナンバープレートは一部しか記録できていない
- 元交際相手とのトラブル後から気になるようになった
- 直接の接触や脅迫は確認されていない
依頼者は元交際相手を疑っていますが、同一人物または関係車両と判断できる証拠はありません。
最初に整理するべきこと
「同じ車」と判断した根拠
車両を識別するときは、色だけでなく、次の情報を整理します。
- メーカー・車種
- 車体色
- ナンバープレートの地域名・分類番号・ひらがな・一連番号
- 車体の傷やへこみ
- ステッカーや装備品
- ホイールやライトの特徴
- 運転者・同乗者の特徴
- 出現した日時と場所
暗い時間帯や離れた場所から見た場合、似た車種を同じ車両と認識している可能性があります。分からない部分を推測で埋めず、「白色のミニバン」「ナンバー下2桁は36の可能性」など、確認できた範囲で記録します。
出現日時の共通点
過去の出来事を時系列に並べ、車両が現れる条件を確認します。
- 曜日
- 時間帯
- 自宅付近・勤務先付近・通勤経路などの場所
- 依頼者が外出した直後か帰宅前か
- 同じ方向へ走行したか
- 停車時間
- その日にSNSへ予定を投稿していたか
発生条件が整理できるほど、調査日と確認場所を絞りやすくなります。
調査計画
1. 事前記録の確認
依頼者が保存した写真、動画、ドライブレコーダー、防犯カメラ映像、車両メモを確認します。
写真が不鮮明でも、撮影日時、進行方向、車体の一部などが照合材料になる場合があります。編集前の元データも残しておきます。
2.
出現しやすい時間帯の張り込み
車両が現れやすい曜日・時間帯が分かっている場合、自宅周辺などで張り込みを行い、出現状況を確認します。
調査では、単に似た車を撮影するのではなく、次の事実を記録します。
- 車両が現れた時刻
- 停車・通過した場所
- ナンバープレートと車両特徴
- 車内の人数
- 依頼者の動きとの関係
- 停車時間と移動方向
- 同じ行動が繰り返されたか
3. 追尾の必要性を判断
不審車両が確認できても、直ちに追尾するとは限りません。
偶然通行した可能性、周辺住民の車両である可能性、安全上の問題などを検討します。依頼者の外出に合わせて移動するなど、関連性を示す状況が確認された場合に、必要性と安全性を判断します。
4. 複数回の結果を照合
一度だけ見かけた車両と、複数日にわたり依頼者の行動に合わせて現れる車両では意味が異なります。
日時、場所、車両、運転者、移動状況を複数回照合し、確認できた事実と推測を分けて報告します。
調査結果
確認調査は3回に分けて実施します。
1日目
依頼者の帰宅予定時刻より前から周辺を確認しましたが、申告された特徴と一致する車両は確認されませんでした。
2日目
自宅から約100メートル離れた道路で、申告内容に似た車両を確認しました。ナンバープレートと車体特徴を記録しましたが、車両は短時間で通過し、依頼者の動きとの関連は確認できませんでした。
3日目
2日目と同一の可能性が高い車両を確認しましたが、近隣住宅へ立ち寄った後、その住宅の居住者とみられる人物を乗せて出発しました。依頼者の帰宅や外出に合わせた動きは確認されませんでした。
この調査モデルから分かること
今回の確認結果では、似た車両は確認されたものの、依頼者を監視・追跡していると判断できる行動は確認されませんでした。
この場合、報告書では次のように整理します。
- 申告された特徴に似た車両が確認された
- 複数日にわたり同一車両が依頼者を追跡した事実は確認されなかった
- 車両は近隣住宅への送迎等で通行している可能性がある
- 設置目的や運転者の意図は断定できない
- 調査した日時以外の状況までは判断できない
「何もなかった」と断定するのではなく、調査した範囲で何が確認され、何が確認できなかったのかを明確にします。
反対に警戒を強めるべき状況
次のような状況が確認された場合は、安全確保を優先し、警察への相談を検討します。
- 車両が依頼者の移動に合わせて発進する
- 自宅から勤務先まで複数地点で同じ車両が現れる
- 帰宅時刻に合わせて繰り返し停車している
- 運転者が撮影や接触を行う
- 進路を塞ぐ、幅寄せするなど危険な運転がある
- 脅迫や執拗な連絡と同時に発生している
- 住居侵入や器物損壊の形跡がある
危険が差し迫っている場合は110番、緊急ではない相談は#9110または最寄りの警察署へ相談してください。
自分で確認するときの注意点
車両を追いかけない
相手車両を追いかけたり、前へ回り込んだり、進路を塞いだりすると、事故や直接対決につながるおそれがあります。
運転者へ接触しない
車内をのぞき込む、ドアを開けようとする、相手を問い詰めるといった行為は避けてください。
SNSへ車両情報を公開しない
ナンバープレートや運転者の画像を公開すると、無関係な第三者へ被害を与える可能性があります。記録は警察、弁護士、探偵などへの相談資料として保管します。
元データを残す
写真や動画を拡大・加工する場合も、元データは削除せず保存してください。防犯カメラやドライブレコーダーは上書きされる前に必要な部分を保存します。
証拠の残し方については「ストーカー・嫌がらせ被害で残すべき証拠は?」も参考にしてください。
室内や車両への機器設置も心配な場合
相手が自分の会話や移動を把握しているように感じる場合でも、原因が車両による監視とは限りません。SNSの公開情報、位置情報共有、アカウント設定、車載機器なども確認する必要があります。
自宅や事務所の機器が気になる場合は「盗聴器・盗撮カメラ発見調査とは?」をご覧ください。
他人の所有物へ無断でGPS機器等を設置する調査は行いません。
調査料金の目安
張り込みや尾行などの行動調査は、調査員2名で
1時間13,000円(税込) が基準です。
- 車両を使用する場合:1日10,000円(税込)
- 通常の調査報告書:1案件30,000円(税込)
- 22時から翌5時の調査:該当時間のみ1時間2,000円(税込)を加算
発生する曜日や時間帯が絞れていない場合、長時間の調査よりも、依頼者の記録を増やしてから調査日時を決めたほうが効率的なことがあります。
詳しくは「調査料金」をご覧ください。
まとめ
同じ車両を繰り返し見かけても、それだけで監視・追跡と断定することはできません。
重要なのは、車種、ナンバー、日時、場所、停車時間、依頼者の動きとの関係を記録し、偶然の通行と継続的な行動を分けて確認することです。
探偵の調査でも、確認できた事実と推測を分け、一度の出現だけで行為者や目的を決めつけません。危険な接触や追跡がある場合は、調査より先に警察へ相談してください。
不審な人物や車両について、どの情報を保存すればよいか分からない場合は「無料相談・お問い合わせ」からご相談ください。
調査で終わらせない。その先の未来へ。
SD Research 調査事務所

コメント